人は、のどの渇きを感じた時点で、2パーセントの水分が不足している状態で、それから水分補給をしたのでは遅いと言われています。また、一度に大量に飲んでも多くが尿として排出されてしまうだけで、効率的ではありません。渇きを感じているかどうかに関わらず、常に少しずつ水分を摂取することが大切です。飲むタイミングを作って、意識して摂取するようにしましょう。仕事中一息ついた時にコップ一杯の水を飲む、というふうにすると、水分不足で鈍っていた脳が活性化して集中力が維持される、という効果も得られます。
緑茶やコーヒーといった集中力を高めると言われるドリンクなどは、強い利尿作用を持つカフェインが含まれているため水分補給には向いていません。水分補給には、適しているとされる水の摂取量を増やすのが良いでしょう。ただし水も、飲み過ぎると血液中のナトリウムイオン濃度が低下して体調に異変が起きることがあるため、適量を心がけましょう。気分を変えたい時は炭酸水を飲むという手もあります。炭酸水には、真水よりも早く体内に吸収されるという特徴があり、素早く水分補給したい時にも効果的です。
屋内の仕事でも熱中症が心配される場合や、多量の汗をかく現場での仕事では、水分だけでなく塩分補給も必要になります。こうした場合に水分だけを補給すると、血液中の塩分、ミネラル濃度が低くなって、かえって熱中症の発症や悪化につながってしまうからです。適度な塩分も摂取することができるスポーツドリンクが効果的だとされています。休憩時間には必ず摂取すると決めて、意識して補給するようにしましょう。